腹黒スマイル王子
よーい バン!


プレートをめくると

(好きな人)

と書かれていた。

クスッ。マジか。

佐藤に感謝だな。

俺は迷うことなく陽向を探した。

いた!

陽向に向かって真っ直ぐに進む。

そう、あの時と同じように何の迷いもなく陽向の元へ。


最初こそ不思議そうな顔をした陽向だっけど、何かを思い出したような顔に変わった。

俺は確信した。陽向は卒業式のあの時を思い出してくれている。

嬉しくて何も言わずに手を掴んで走ってしまった。

海斗先輩が何か言ってたけど、そんなことはお構い無しだ。


「何て書いてあったの?」


「私でいいの?」


陽向が心配そうに話しかけてきたけど、俺は

「陽向じゃなきゃだめなんだ。」


ってそれだけ言った。

ゴールするまでずっと手を繋いだままだった。もしかして途中で振りほどかれるかもと内心ビクビクしてたけど陽向はそうしなかった。

陽向はそんなやつじゃない。分かってたけど、嬉しかった。

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