腹黒スマイル王子
「理人!いよいよこれが最後の種目だ!

俺達クラスの代表はお前なんだからビシッと走ってこいよ。」


「あー、わかったよ。」

集合場所に向かうと海斗先輩が陽向の肩を抱きながらやってきた。陽向と目があいそうになると俺は慌てて目をそらした。

なにやってんだ俺は、くそっ!こんなことに動揺するなんて俺って案外嫉妬深いかも。

それにしても陽向のやつ、足は大丈夫なのかよ。ここんとこ無理してんじゃねぇー。


位置について

よーい

バン!

第一走者がスタートした。


(よーし、いけ~!)

盛り上がりも最高潮。

でも俺はぜってぇー、海斗先輩には負けない!なんて考えてる。

あー、やっぱ俺って嫉妬深いわ。

第四走者にバトンが渡った。俺のチームは現在1位。陽向は3位だ。

必死に走る陽向、すっげー可愛い。



そしていよいよ俺つまりアンカーにバトンが渡る。すぐ後ろに海斗先輩が追ってきた。



パンパンパーン♪


結果は1位。でも俺は海斗先輩に勝ったとは思わない。勝てたのは俺以外の人が頑張ったからだ。でも俺より海斗先輩のほうがショック大きいみたいだな。あと少し距離があったら間違えなく抜かされてただろう。
< 39 / 144 >

この作品をシェア

pagetop