腹黒スマイル王子
ん?陽向はなんで立たないんだ?

もしかして…………



「陽向先輩、もしかして立てないんですか?」


「うん。ちょっとね。」


やっぱりだ。まったくこの人は、自分のことも考えずに一生懸命になるんだから。

俺は何の躊躇もなく陽向を抱き上げた。始めは恥ずかしがって下ろして欲しいって言ってけど半ば強引に脅して言うことをきかせた。

悪いとは思ったけど膝の方が心配だったから。


医務室に入るが誰もいなかった。それもそのはずさっきのリレーで数人が派手に転倒して救護室で手当てをしてもらってたのが見えたから。

まっ、それが分かってたからこっちに連れてきたんだけど。

俺はわざと陽向をベッドに座らせた。自分が隣に座るために。












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