腹黒スマイル王子
俺はわざと疲れたふりして陽向に恩をきせる。案の定陽向は申し訳なさそうに何か奢ると言ってきた。でもそんなことは望んでない。

俺が望んでるのは


「これから俺のことは、 り と って呼んで。」


そう、陽向と俺の距離を少しでも縮めたかった。

たった一年しか、違わないけど、この一年の差は大きい。現に陽向が高校生になっても俺はまだ中学生で、陽向が大学生になっても俺はまだ高校生。同じ土俵に立てるのは俺が社会人になってからくらいなもんだ。それまでまだ後最低でも7年ある。だから今のうちに少しでも距離を縮めておきたい。

そして名前で呼んでもらって調子にのった俺は陽向のおでこにキスをした。
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