腹黒スマイル王子
放課後、理人は約束通り教室に迎えに来てくれた。


「陽向 先輩。迎えに来ました。」


理人が迎えに来ると私だけではなく皆も残っていた。

「ごめんね。山神くん。皆も一緒に帰るって。いいかな?」


「もちろんですよ。」


海斗が私のカバンを持とうと手を伸ばすとすかさず理人が私のカバンを持っていってしまった。

海斗は何か言いたげだったけど何も言わずに私の後ろを俊輔と歩きだした。


「山神くん、皆とは初めてだよね。
えっと、こちらが涼香で、こっちが俊輔で、恵梨香。」


「初めまして。山神 理人です。」


「近くで見るの初めてだけど、ホントにイケメンだね。」


「ちょっといきなり何言うのよ。」

涼香はさらっと言ってきた。


「いいじゃん、陽向。ホントのことなんだからさ。

ねっ、理人くん。

あー、ちなみに、おれと涼香は付き合ってるから。」

俊輔が涼香の肩を抱いてきて涼香に腕をチョップされる。


恵梨香まで調子に乗って


「私も理人くんて呼んでいいかな?」


「はい、もちろん。」


「やったー。陽向や美人には理人くんの話しは聞いてたんだけど本人を目の前にするのは初めてだからいい目の保養できたわ。」

「俺なんて全然いい男じゃないですよ。」


「またまたそんな謙遜しちゃって。でもいい男だからゆるしちゃう。」

なんか今日は皆毒舌じゃない。

< 51 / 144 >

この作品をシェア

pagetop