腹黒スマイル王子
暫くすると理人が飲み物を持って部屋に入ってきて私の向かいに腰をおろした。


「陽向教科書見せて。今どこやってるの?」

急に理人が私に近づいてきたのでドキッとして慌てて理人に教科書を見せると

クスッ

「陽向また俺にドキドキしてるの?」

「な、何言ってるの!」

「はいはい。」

理人は、何も無かったみたいに

「あー、ここね。OKわかった。で、陽向は何処が分かんないの?」


「こ、この問題なんだけど、この公式を当てはめればいいんだよね?」


「あー、違う違う。これってひっかけなんだよね。この公式でも答えが導きだされちゃうから合ってるような気になってなっちゃうんだけど、本当はこっちの公式。やってみて。」




「あっ、出来た。

答えもあってる。すごーい。」

「そうそう。じゃあこっちも解いてみて。」


うわっ。分かる。これはその逆だ。数学の先生より分かりやすい。


「そうそう。陽向はの見込みが早いね。」


「いえいえ、先生がいいからだよ。」


正直勉強になんてならないかと思ってたけど、理人のお陰で集中してやることができた。




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