腹黒スマイル王子
「おそーい。どこ行ってたの?

まさか迷子とか?」



そのまさかです。とはさすがに言えない。

「そんなわけないじゃない。お店が混んでたの。」




お昼になり私達は更衣室を借りた海の家に昼食をとりにいくと、またまた理人はおまけをもらって戻ってきた。
今度は焼きイカだった。


「どうしたんだ、それ。」


理人が言いにくそうにしてたので代わりに私が


「理人くんが買いにいくと女性店員さんがおまけをくれるんだよ。」


「マジか!?」


「でも何で陽向がそんなこと知ってるの?」


「ま、前に聞いたことあったからだよ。」


「しかし、スゲーな。羨ましいぜ。」


「全然良くないですよ。欲しくもないもの無理矢理渡されて、他の店員に白い目で見られるし。」


「ふーん。モテるってのも大変なんだな。」


海斗が妙に納得してるのがなんだか可笑しかった。


< 78 / 144 >

この作品をシェア

pagetop