腹黒スマイル王子
ヒューン


バーン♪


誰かが打ち上げ花火をやりはじめた。


皆が打ち上げ花火に目を向けると。


「陽向、俺の近くに居られなくて寂しくなかった?」


理人が耳元で囁いてきた。


えっ、

ドキッ


皆がいるのに。


私は驚いて理人の方を見ると私の大好きな理人の私にだけ見せる少年の様な優しい笑顔をむけてきた。

きゅん

その笑顔に胸が痛くなる。


あー、私やっぱり理人が好き。

でも理人はきっと先輩としか見てない。だからこの思い気付かれないようにしなきゃ。


「寂しくなんてないよ。」

嘘、本当は寂しかったくせに。

「俺は寂しかったよ。」


何でそんなこと言うのよ。私は自分の気持ちを一生懸命隠してるのに勘違いしそうになるじゃない。


「もー、先輩をからかわないで。」


その言葉を聞いた理人は少し淋しいそうな顔をした気がする。
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