様々ラヴァーズ

橙色のメスライオン

大園裕紀子（おおぞのゆきこ）17歳。
都市部の学文路儀（かむろぎ）区で一人暮らししている高校生。

「今日から転校してきた大園裕紀子だ皆仲良くするように」
「大園裕紀子ですよろしくお願いいたします」
裕紀子は前の学校のセーラー服を着たまま登校し、一礼した。
「制服はまだ学校が用意できなくてなしばらく大園には前の学校の服で登校してもらう」
裕紀子は安心したように教室を見渡していた。
「大園は祖母を亡くした、その他いろいろな事情で此方で一人暮らしすることになったみんな、色々教えてあげてくれ」
安心したのもつかの間裕紀子の身の上話をベラベラ話したのだ。
「………よろしく」
裕紀子の親は共働きであまり家におらず母方の祖母が癌で亡くなれば家から裕紀子を追い出し引っ越しさせた。
「勉強は前の学校のよりやっぱり遅いわね」
進学校に通わされていた裕紀子にとって勉強の進みには何も不安はなかった。
「大園さーん良かったら一緒にお昼食べよー！」
時間は、昼休みになり裕紀子の目の前に同級生が表れた
「郁野舞妓（いくのまいこ）っていうの今日いつも一緒にいる友達いないから良かったら食べよ！」
元気一杯の少女が歩み寄ってきた、転校して早々に昼御飯に誘われて少し裕紀子は安心した。
「凄いね！お弁当手作りしてる！一人り暮らしなのに！」
裕紀子の弁当箱にはシソの混ぜご飯と豆腐ミートボール、ポテトサラダと卵焼きが入ってきた。
「ま、まぁ一人暮らし始めたからねまた落ち着いたら遊びにくる？」
そう言うと顔をキラキラ輝かせながら舞妓は頷いた。
「ふぁ～疲れた～」
学校から離れた場所にある70階建ての高層マンション、裕紀子は69階に住んでいる。
「晩御飯は適当に春雨スープと生春巻きと…あとは」
家に帰り一息つきた裕紀子はそのままスーパーに買い出しにいった
実家の時からご飯は一人で自分のぶんを作っていた。
「よし！一通り買えたし安かった野菜も調味料も買えたし帰ろ」
片手に大きなレジ袋を持ち裕紀子はマンションに帰った。
「あ、お隣さんですか俺隣に住んでる宮東茂吉（くどうもきち）っていいますよろしくお願いします」
扉を開けようとした裕紀子は隣人の男にあってしまった。
「あ、どうも…挨拶遅れてすみません」
都市部のマンション、プライバシーを理由に挨拶をしなかった裕紀子、出会ってしまったら挨拶をしなければならならい。
「あーココ出入り激しいし別に気にしないよ」
じゃっと手を広げると茂吉は扉のなかに入った。

夜10時、予定通り晩御飯、予習復習、入浴、弁当の仕込みを終わらせてテレビを観ながらマッサージをしている裕紀子。
「社会人になったらこのマンションはどうしよう、おばあちゃんが買い取ってるからなー」
裕紀子は将来、栄養士になりたいと思っていた、昔から料理が好きなので料理にかかわる仕事がよかったのだ。
「友達も彼氏も前の学校ではなかったしなぁ」
進学校では周りは友達や恋人に興味なく自然とできなかった。

「新しい地で、踏み出そう」
そう言うと裕紀子はテレビをつけたまま電気を消して寝てしまった。