あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。




両側に家やアパートが鈴なりになった細い道を、ひとりでゆっくりと歩く。

どこかに向かって歩いているというわけではなくて、黙々と足を動かすだけ、という感じだ。



もう夕方なのに、陽射しはまだまだきつくて、じわりと汗ばんだ背中が気持ち悪かった。



毎日歩いている道。


あたしは今まで何回、この道を歩いたんだろう。

あと何回、この道を歩かなきゃいけないんだろう。



そう考えただけで嫌気がさして、何度目かも分からないため息が出た。



毎日毎日、同じことの繰り返し。

代わり映えのない、平穏すぎてつまらない生活。



いやだ。

イライラする。


こんなところにはいたくない。

早く抜け出したい。



でも、どうやったら抜け出せるんだろう?



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