上司に秘密を握られちゃいました。

「仕方ないわね。お邪魔虫は消えるわ。
あいちゃん食べたら報告しなさいよー。
あっ、私なら今日でもオッケ」


とんでもないことを口にしながらも、平然とした顔をした早乙女様は「じゃあね」と大きな体を揺らしながら去っていった。


「えぇっと……」


なんだか真山さんが困った顔をしている。


「全然悪い人じゃないんだ。
うちの大切なお客様だけど、客だからって横柄な態度をとる訳じゃないし、結構いろんなことをきちんと考えてる人で……」


真山さんが懸命に言葉を探していて、おかしい。


「ただ、ちょっとストレートすぎるから、初めてだとビックリだよね」


確かにストレートな人だ。


「大丈夫です。ビックリはしましたけど、楽しそうな方ですね」

「うんうん。楽しいのは保証する」


私にメニューを差し出した真山さんは、クスッと笑った。
< 107 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop