上司に秘密を握られちゃいました。
「仕方ないわね。お邪魔虫は消えるわ。
あいちゃん食べたら報告しなさいよー。
あっ、私なら今日でもオッケ」
とんでもないことを口にしながらも、平然とした顔をした早乙女様は「じゃあね」と大きな体を揺らしながら去っていった。
「えぇっと……」
なんだか真山さんが困った顔をしている。
「全然悪い人じゃないんだ。
うちの大切なお客様だけど、客だからって横柄な態度をとる訳じゃないし、結構いろんなことをきちんと考えてる人で……」
真山さんが懸命に言葉を探していて、おかしい。
「ただ、ちょっとストレートすぎるから、初めてだとビックリだよね」
確かにストレートな人だ。
「大丈夫です。ビックリはしましたけど、楽しそうな方ですね」
「うんうん。楽しいのは保証する」
私にメニューを差し出した真山さんは、クスッと笑った。