上司に秘密を握られちゃいました。

メニューの写真はどれもおいしそうだ。
厨房から漂ってくる少し焦げたような匂いも、食欲を誘う。


「おすすめはね、牛ホホ肉のシチュー、かな。お肉がトロトロだよ」


私が迷っていると、アドバイスをくれる。


「それじゃあ、それにします。どれもおいしそうで迷ってしまって」

「うんうん。気に入ればまた来ようよ」

「はい!」


『また来よう』って、誘ってもらえた?
いや、社交辞令かな……。

色々考えて、勝手にドキドキする。

真山さんは、白身魚とホタテのグリルを注文している。


「休みの日までごめんね」

「いえ。暇でしたから、うれしいです」

「初売りの帰りに、よければ制服見に来ないかな、と思って……。
嫌だったら断ってくれて……」

「いいんですか!?」


いよいよこの日がやってきた!
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