上司に秘密を握られちゃいました。
本当に、空気がおいしい。
あの人ごみの中では、まともに酸素を取り込めた気がしない。
「冷えますね」
「そうだね。雪が降りそうなくらいの気温だ」
雪が降ると、途端に出足が鈍る。
小売業は、天気も味方につけないと大変だ。
「付き合わせてごめんね。
中身の詮索をするんだけど、一緒に見てもらえないかな。
やっぱり、女性物は女性の意見がないとね」
「はい」
私も中身が気になる。
東郷となにが違うのか、興味深々だ。
「それじゃ、家に来てもらってもいい? 制服もあるから」
制服!
いよいよ、憧れの制服にご対面できる。
抑えきれないほどの喜びが、湧き上がってきた。