上司に秘密を握られちゃいました。
「このボリュームからしてダウンだと思ったけど、なかなかよさそうだ」
真山さんはダウンを手にすると、すぐにタグを見ている。
「これが目玉かな。
有名ブランドのものではないけど、おそらく最初は三万はしたんじゃないかな」
私も福袋を詰めていて驚いた。
昨日まで倍の値段だったものを、ポンポン詰め込んでいたからだ。
「売れ残るよりはいいからね。来年に持ち越すにも、倉庫代がバカにならない」
だから基本的に売り切った方がいいらしい。
「このセーターも使いやすそうです。だけど、あとは色が……」
コートとセーター以外は、好みの別れそうな色のものだった。
あとはスカートと靴下が入っていたけど、赤やオレンジといった派手なものばかりだ。
「好みが分かれそうだけど……コートが気に入れば元が取れた感じだね」
「そうですね。これで一万なら満足かもしれません」