上司に秘密を握られちゃいました。

コーヒーカップを持ち、キッチンに行く真山さんを見送ると、福袋の入っていた紙袋に目がいった。


「もっとかわいいと売れそうだな」


特にアクセサリーの方はシンプルすぎる。


「なるほど、ラッピングか」

「あっ、いえ……」


すぐに顔を出した真山さんに慌てる。
ひとり言を聞かれてしまった。


「そのアイデアもいただき」

「コーヒー淹れてるから、待ってね」と笑う真山さんは、私の向かいに座った。


「西里さんと話してると、時間が経つのも忘れちゃうな」

「私もです」


仕事の話だけど、楽しくて仕方ない。


「これ、一回本部に持って行くけど、気に入ったものは西里さんにあげるよ」

「いえ、真山さんが買ったんですから」

「だって、俺、着られないでしょ」
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