上司に秘密を握られちゃいました。

「素敵」


今は制服も回収されてしまうけれど、昔はこうして手元に残してある人もいるとは聞いた。


「もう古いけど、母が大切に保管してたから、一応は状態はいいと思うよ。
こういうのって、売りに出すとマニアがそこそこの値段で買うらしいね」

「そりぁ、もちろん! あっ……」


興奮して、大きな声が出てしまった。
買えるものなら、多少高くても欲しいのが、制服フェチの本音。


「あはは。ホントに好きだね」


恥ずかしくなって俯くと、「よければ着てみる?」という天の声が聞こえたけれど……。


「いえいえ、着るなんて、そんな」


こんなに大切なものに手を通すなんて、恐れ多い。
だけど、本音を言えば着てみたい。


「母も西里さんならOKって言ってそうだ。こんなに好きなんだから。
サイズも大丈夫そうだし……。
着替え、隣の部屋使って?」


真山さんはふすまを開け、制服を持っていく。
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