上司に秘密を握られちゃいました。

感極まって泣きそうだった。

私はこの制服に憧れて、それを着ることを目標に頑張ってきたのだと思うと、まるで夢が叶ったかのようで。


「スマホ持ってる? 写真撮ってあげるよ」


彼の言葉に、ギクッとして、緊張が走る。
公園でコスプレした時のことがバレたのではないかと思ったからだ。


だけど、写真は欲しい。


「お願い、します」


それに、断るのもおかしいと思った私は、バッグの中からスマホを取り出して真山さんに渡した。


「はい、笑って」


笑ってと言われても、緊張しすぎて笑えない。


「そういえばデザート重、食べた?」

「はい。すごくおいしかったです!」


--カシャ


「いい笑顔いただき」

「あ……」


私を笑わせてくれたんだ。
簡単に引っかかった私は、思わずクスッと笑ってしまった。
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