上司に秘密を握られちゃいました。

--カシャ


「もう一枚」

「ありがとうございます」


少し緊張の緩んだ私は、彼からスマホを受け取ると、早速撮ってもらった写真をプレビューする。


「すごい。感激です」


隣の部屋には鏡がなく、自分の制服姿を見たのは初めてだった。
だけど、感激のあまり涙目になってしまって、顔を伏せる。


「そんなに喜んでもらえるなんて、なんだかこっちが申し訳ないよ」


真山さんは、「もうひとつも着てごらん?」と勧めてくれる。


隣の部屋に戻った私は、興奮が治まらないまま、もう一枚の制服を手にする。

それは、鮮やかな水色の半そでワンピースだった。

首元が開襟で、ちょっと懐かしさを感じるようなデザインだけど、それがまたいい。
スカートの部分がタイトな膝上スカートになっていて、少しばかり短めだった。

おそらくミニスカートの流行った頃のものなのだろう。
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