上司に秘密を握られちゃいました。
木陰のベンチでコートを脱ぎ、バッグの中から帽子とスマホを取りだす。
日なたに出て、東郷百貨店のビルがうまく入る場所に立つと、手を伸ばしてスマホのシャッターを数回押した。
残念ながら自撮り棒を持っておらず、なかなかうまくはいかない。
「撮りましょうか」
「えっ……はい。ありがとうございます」
そうこうしていると声をかけられ、そちらに顔を向けると……。
「あっ!」
一瞬、息が止まった。
その人が真山さんだったからだ。
「スマホ、貸してください」
「はっ、はい」
真山さんは幸い私に気がついていない。
「ここ、丁度東郷が入りますね」
「えぇ……」
冷や汗が出てきた。
バレないうちに立ち去りたい。
「はい、笑って。いきますよー」
それでも笑顔を作っている自分が怖い。
日なたに出て、東郷百貨店のビルがうまく入る場所に立つと、手を伸ばしてスマホのシャッターを数回押した。
残念ながら自撮り棒を持っておらず、なかなかうまくはいかない。
「撮りましょうか」
「えっ……はい。ありがとうございます」
そうこうしていると声をかけられ、そちらに顔を向けると……。
「あっ!」
一瞬、息が止まった。
その人が真山さんだったからだ。
「スマホ、貸してください」
「はっ、はい」
真山さんは幸い私に気がついていない。
「ここ、丁度東郷が入りますね」
「えぇ……」
冷や汗が出てきた。
バレないうちに立ち去りたい。
「はい、笑って。いきますよー」
それでも笑顔を作っている自分が怖い。