上司に秘密を握られちゃいました。
「西里さん、よろしく。君のデスクはこっち」
当然、他人行儀な真山さんに案内されたのは、なんと彼の隣の席だった。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ。
緊張しなくていいよ。西里さんのアイデア、期待してる」
にっこり笑った彼は、いつもと変わりなかった。
それから真山さんは、実に淡々と仕事の話を始めた。
「早速だけど、これが企画書。
一度目を通してわからないことは質問してくれる?
西里さんには主に制服の調達をお願いすることになると思う。
もちろん、アイデアがあったら遠慮なく言ってほしい」
まるで昨日のことなんてなかったかのような彼に、少し驚く。
私だけなのかな、気にしているのは。
もちろん、公私の区別はつけるつもり。
だけど、ここまでサバサバできない。