上司に秘密を握られちゃいました。
「これ、虫にやられてます」
せっかく見つけた制服も、保管状態が決して良くなかったせいか、使えない物も多い。
「はぁ、想像以上に大変そうだ。
もっと昔のものは、見つけられそうにないな」
真山さんは大きな溜息をつく。
「お袋みたいに、自宅に保管している人を見つけるのも至難の業だ。
写真を見て作るしか、ないか……」
やっぱり、作るんだ。
完全に同じモノとはいかないけれど、それなりに近いものは作れるはず。
「そう言えば、モデルの公募、藍華も出す?」
倉庫からいくつかの制服を抱えて出ると、真山さんは何気なく尋ねてくる。
そりゃもちろん、制服は着たい。
だけど……社員になり営業本部に配属になってから、至る所で私の悪い噂が広がっていて、ためらわれる。