上司に秘密を握られちゃいました。
夏休みに入ると、早速行動に移した。
電車で三十分ほど揺られたところにある問屋街で、布地を扱う問屋に飛び込み、杏林女子の制服の写真を片手に同じ様な色の生地を探したけれど、なかなか見つからない。
それでも……。
「あぁ、杏林さんの制服だったら、ここのメーカーの布のはずだよ。同じ色、あったかなぁ……」
五つ目の問屋で、胸の高鳴りがピークに達する。
「少しだけならありそうだよ。ブレザー作るくらいはあるかな」
奥の方に在庫を確認しにいっていた店の人が布の反物を抱えてきたときは、心臓が止まるかと思った。
「だけど、これ高いよ。いいウールを使ってるからね。えーっとメートル、三千八百円ね」
「さ、三千八百!」
今まで見てきた反物は、高くても一メートル二千円くらいだったから、倍近い。