上司に秘密を握られちゃいました。

昨日、ケーキを落とされて最悪の気分になった。
だけど……こうして彼とさわやかな朝を迎えられたのだから、よしとしよう。

それに、私と公孝さんの距離が一気に近づいた。
佳乃さんも入り込めないほどに。

それから、彼と一緒に家を出て、駅前のファーストフードで朝食をとった。


「それじゃあ、あとで」

「はい」


そこで別れて、部屋に戻ることにした。
彼は昨日早めに切り上げてきたから、仕事が残っているのだという。


「藍華、待って」


彼から離れようとすると、手を引かれる。


「俺が守るから。なにかあったら、必ず知らせて」

「……はい」


『俺が守るから』という言葉に、胸がドクンと大きく打った。

彼は、私の彼氏。
自信を持って、堂々としていればいい。
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