上司に秘密を握られちゃいました。
『迷ってます』と答えたときは、いきなり本部に抜擢されたことで感じていた風当りから逃れるという意味もあった。
だけど、もういい。
いわゆる枕営業したわけでも、公孝さんを無理やり付き合わせている訳でもない。
だったら、コソコソ逃げる必要なんてない。
せっかくのこんなチャンスを逃したら、制服フェチがスタルっていうものよ!
どうもケーキを台無しにするという暴挙に出られたせいで、私の中のなにかに火が付いたようだ。
今までだった欲しいものは努力して手に入れてきたじゃない。
杏林女子の制服も、東郷百貨店の制服も……正社員も。
それなら、これからだってそう。
公孝さんも私の夢も、自分で勝ち取ってみせる。
メラメラと燃える情熱の炎が、私を奮い立たせる。
よし、頑張るぞ!
モデルの募集のお知らせを、社内の様々な場所に掲示すると、私は早速エントリーシートをバッグにしまった。