上司に秘密を握られちゃいました。
それで、それを私にやれと?
「今回は二百だから、バイトは入れないつもりだ。
他にふたり社員を回す予定だから、そのふたりにラッピングを指導してほしい。
西里さんに全部してもらおうかと思ったけど、それではこれからもそうしなくてはならない。
他の社員にも技術を覚えて欲しい」
なるほど。
多くの社員がラッピングの技術を身につければ、効率もいい。
私はその仕事を受けることにした。
ラッピングは私に任せるということで、少し厚めのダークブラウンとアイボリーのラッピングペーパーとゴールドとブラウンのリボンで試作品を作ると、一発でOKが出た。
ふたりの社員は、催事場でお世話になったことがある三十代前半のふたりだった。
「よろしくお願いします」
頭を下げてもなにも返事はない。
だけど、気にしないで始めることにした。