上司に秘密を握られちゃいました。

「まず、箱はこの大きさです。
ラッピングペーパーは、ここをあらかじめジャバラに折ります」

「えらくなったわね。私たちに指図するなんて」

「指図なんて……」


このうちのひとりは、私がリボンを結んでいた時、嫌味を言っていた人だった。


「続けます」


私への不満が渦巻いていることは想定内。
ここでやり合っても仕方がない。


「アイボリーのラッピング紙は……」

「あなたがこんなことを始めたから、皆迷惑してるの。
ラッピングが得意なのかもしれないけど、そんなことくらいで本部に行けるなんてね。
しかもストーカーしてるって噂じゃない」


リボンを指にクルクル巻きつけながら、気だるい声をあげ、明らかに嫌そうな顔。
< 288 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop