上司に秘密を握られちゃいました。
「まず、箱はこの大きさです。
ラッピングペーパーは、ここをあらかじめジャバラに折ります」
「えらくなったわね。私たちに指図するなんて」
「指図なんて……」
このうちのひとりは、私がリボンを結んでいた時、嫌味を言っていた人だった。
「続けます」
私への不満が渦巻いていることは想定内。
ここでやり合っても仕方がない。
「アイボリーのラッピング紙は……」
「あなたがこんなことを始めたから、皆迷惑してるの。
ラッピングが得意なのかもしれないけど、そんなことくらいで本部に行けるなんてね。
しかもストーカーしてるって噂じゃない」
リボンを指にクルクル巻きつけながら、気だるい声をあげ、明らかに嫌そうな顔。