上司に秘密を握られちゃいました。

耳まで熱い。
昨日の行為を思い出すと、彼の顔をまともに見ることができなくなった。


「朝ごはん、食べますよね」

「うん。ありがと」


彼から逃れ、再びキッチンに立つ。
昨日買っておいたタマゴでサンドウィッチを作り、サラダを添えると、彼はパクパク食べてくれてうれしかった。


「行こうか」


キリリと顔つきの変わった彼は、完全に仕事モードになっている。
前のように駅で別れた私は、一旦自宅に戻ってから出勤した。


営業本部に顔を出すと、公孝さんはいなかった。
きっとどこかの売り場だろう。

私もすぐにラッピングの続きに向かった。


やっぱりあのふたりは来ていない。
仕方なくひとりで作業を始めると、公孝さんがふたりを伴って現れた。


「おはようございます」

「おはよ」


もしかして、連れてきてくれたの?

不貞腐れたようなふたりは、渋々席に着いた。
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