上司に秘密を握られちゃいました。

思わず口が滑った。
まだ決まってもいないことだけど、おそらく私が異動になるのは間違いない。


「あっ、ごめんなさい。まだ決まったわけではないんです。
それに私、受付に憧れていて……もちろん希望通りにいくとは限りませんが」


早乙女様の前だとなぜか話してしまう。
言葉はストレートだけど、なんとなく信頼のおける人だから。


「あら、いいじゃない。
あの制服を公孝君が脱がせるのね。
まったくエロいわ、あなたたち」


あれ? 話がおかしな方向に……。


「そんなこと、ありません」

「いやん。想像すると興奮する。男って制服に弱いのよ」


勝手に想像されても困る。

だけど、私も想像してしまった。
大好きな東郷の制服を彼に脱がされるところを。

はぁ。私までちょっと変かも……。
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