上司に秘密を握られちゃいました。
本当は彼の仕事を手伝えればいいのだけど……彼にしかできない仕事がたくさんありすぎる。
売り場の指示は私ではできないし、企画を立ち上げるのも、まだ難しい。
それなら、裏で彼を支えたい。
「藍華、一緒に住もうか」
「えっ?」
話しが思わぬ方向に進んだ。
「ホントは鍵を渡した時から、ずっとそう思ってた。
だけど、俺は帰りが遅いし、それに付き合わせるのは申し訳ないと思って、言えないでいた」
そう、だったの?
「うれしいです」
即答だった。
一緒にいられれば、不安な気持ちも払拭できる。
「おはよう」「おやすみ」と言えるだけで、きっと……幸せ。
「それじゃあ決まりだ」
彼はうれしそうに微笑んだ。
「でも……私が本部を離れてからにしませんか?」
もしも同棲がバレたりしたら、私が異動するだけではすまなくなる気がする。