上司に秘密を握られちゃいました。
やがて暖かくなってきたころ、東郷の五十周年企画が始まった。
ファッションショーもそのひとつだけど、他にもいろいろある。
まず、屋上に子供の遊べる遊具が置かれた。
メインは、ミニ機関車。
三か月の期間限定だったけど、私も小さな頃楽しんだデパートの屋上が戻ってきて、とてもうれしかった。
そして、そんな最中に入社式も行われ、美晴の社員昇格も決まった。
「藍華、よろしくね」
受付の人に嫌がらせされても、美晴は変わらず私の味方でいてくれた。
もしかしたら、居心地が悪かったかもしれない。
私の友達ということで、とばっちりを受けたこともあるかもしれない。
それでも、ずっと私を支えてくれた。
「こちらこそ。美晴と一緒に働けて、うれしいよ」