上司に秘密を握られちゃいました。

「あとは、新制服がそろうだけですね。当日よろしくお願いします」


各売り場から呼んでいるモデルはもちろん、自分の仕事がある。
長時間、この企画のために売り場を放棄することはできない。
そのため、リハーサルも何度もできない。

だけど、集中して取り組んだおかげで、なんとか形になりそうだった。


更衣室に戻ると、リハーサルを通して一体感の生まれたモデル達は、初めて顔を合わせた人もいるのに、和気あいあいとしている。


「この制服懐かしいわ。私が入社したころのものよ」


そう漏らしているのは、この中で最年長のモデル。


「新しい制服、楽しみね。あなた、着るんでしょ?」


最後に登場する新しい制服は、私に足を引っかけた受付の亀井さんがモデルに決まっている。
< 341 / 439 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop