上司に秘密を握られちゃいました。

「それじゃあ、それでもついていきたいと思うのは、私のエゴ、ですか?」

「藍華……」


私を真っ直ぐに見つめる彼の瞳に吸い寄せられる。


「愛してる」


顎に手をかけた彼は、少し乱暴なキスを落とす。

だけどその乱暴さが、かえって私の感情を高ぶらせる。
私への愛が、溢れ出ているように感じてしまうから。


壁に阻まれ行き場をなくした私に、何度か角度を変えて繰り返された強引なキスは、体を火照らせるのに十分だった。


「まずいな」


やっと唇を解放し、少し口角をあげた彼は、とんでもないことを言いだす。


「今すぐこの制服を脱がせたい」

「えっ! あのっ……」


焦る私をクスクス笑う彼が、「夜のお楽しみ」と耳元でささやくから、ビクッと体が勝手に震える。

『夜のお楽しみ』って……。
頬が赤く染まるのを隠せなくなるから、やめて欲しい。
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