上司に秘密を握られちゃいました。

「それにしても、よく似合ってる」


今度は少し離れた彼が、私の全身を眺めて目を細める。


「は、恥ずかしいですから、見ないでください」


視線で犯されるというのは、こういうことなのかもしれない。


「だけど、助かったよ。まさか、この制服まであるなんて」

「あっ!」


制服フェチが本格的にがバレたことを、忘れてた。


「藍華の部屋に行っていい? 他のあるでしょ? 見せて」

「ほ、他のなんて……」

「引っ越しの時にバレるよ?」


そうだった。
彼と一緒に暮らすんだった。
こっそりどこかに隠しておくつもりだったのに。

なにも言えなくなって俯くと、「今日、行こうかな」とニヤリと笑う。

あぁ、恥ずかしい。
どうしよう……。


公孝さんって、意外とS?
私をからかって楽しそう。
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