上司に秘密を握られちゃいました。

「藍華が受付に立ったら、毎日拝みに行こう」

「えーっ? サボってですか?」

「いや。見回り」


クスクス笑う彼は、「すごくきれいだったよ」と、私の顔を覗き込むから、照れくさい。


「ありがとう、ございます」

「まさか、あれもあるとは驚いたけど」


彼に抱きしめられながら、一瞬固まる。


「えーっと、私、あの赤い制服に憧れたのがきっかけで、それで、あの……」

「全部見せて?」


なにをおっしゃいますか!


「なにを?」

「好きなんだろう? 制服」


ジリジリと獲物を追い詰めるような囁きに、「違います」と言えない。

ゆっくり私を離した彼は、恥ずかしくてうつむく私のあごに手を伸ばし、上げる。

絡まる視線に、ドキドキが止まらない。

どうしよう。
こんなに好きなのに、幻滅されたら……。
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