上司に秘密を握られちゃいました。

同棲生活最初の食事は、張り切ってと思っていたのに、気がつけば公孝さんの帰る時間が迫っていて、慌ててカレーを作った。


「知らないの? 男ってカレーに弱いんだよ」

「えーっ? そうなんですか?」


クスッと笑う公孝さんは「ホントだよ」と着替えに二階に上がっていく。


「ごめんなさい。散らかってます」

「平気、平気」


私も後を追うと、彼は私の部屋をチラッと覗いたかと思うと、入っていく。
そして……。


「あっ、そこは!」

「やっぱり」


荷物が散乱しているのに、そこだけは片付いている。


「見ないでください」

「いいだろ。俺も好きだから」


彼はクローゼットを開けてしまった。
しばらく眺めた公孝さんは、満足そうに微笑み、隣の部屋に着替えに行く。


もう……。
はーっ。ドキドキした。

公孝さんって、やっぱりS気質?
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