上司に秘密を握られちゃいました。

色々な企画に引っ張りだこで、常に売り場を回っている彼は、私の質問にはなんでも答えてくれた。
中津さんや近藤さんもそうなのかもしれないけど……多分亀井さんが言っているのは公孝さんのことに違いない。


「明日は昼から閉店までね。裏入り口の受け付けも経験してもらうわよ」

「はい。お疲れさまでした」


やっと着ることができた制服も、そんなことを気にしていられないほど緊張した。

裏入り口に顔を出してくると言った亀井さんと別れ、バックヤードを通って更衣室に向かう途中、向かいから公孝さんが歩いてきた。


「お疲れ様です」

「お疲れ様。初めての受付、どうだった?」


足を止めてくれた公孝さんと、上司と部下の会話をする。


「はい。とても緊張しました」

「そう。また明日からも期待してます」

「はい」
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