上司に秘密を握られちゃいました。

頭を下げて彼とすれ違おうとすると……不意に腕を強く引かれる。


「やっぱり妬ける?」


妬けるって?


「こんな藍華の姿を、大勢の客に見られたなんて」

「えっ!?」


瞬時に恋人の顔になった彼は、私の耳元に唇を寄せる。


「今晩はどの制服にする?」


……ええっ!
ニヤリと笑う彼と、動揺する私。

『どの』って……。
どうやら彼も、本気で制服フェチかもしれない。


「催事行ってきます」


唖然としたままの私を残してスタスタと歩いていく公孝さんは、もう上司の顔だった。
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