上司に秘密を握られちゃいました。

「藍華、まだ?」

「まだ、ですよ」

「もう我慢できないけど?」


勝手に部屋に入ってきた公孝さんに慌てる。


「ファスナーは締めてやるから」


これから脱がせるくせに、彼は律儀に背中のファスナーをあげた。


「ヤバイ。今日はリミッター外す」

「外さないで!」


すぐにふさがれた唇から、甘い溜息が漏れた。


思わぬ形でばれてしまった、ちょっと恥ずかしい趣味。
今までは趣味でありながら、コンプレックスでもあったけれど、理解してくれる人が現れて、幸せ。

人は、それぞれ趣味嗜好が違うけれど、だからこそ面白い。

仕事バカ、の公孝さんを、私はそばで支え続ける。
そして彼は、制服フェチの私を丸ごと受け入れてくれる。

だけど、また私の制服を脱がすのだろうか。


こんなことになるのなら、出会ったときに聞けばよかった。

「制服フェチは、お嫌いですか?」

と。



【END】

番外編を追加しました。
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