上司に秘密を握られちゃいました。
番外編
浴衣の脱ぎ方、教えます
「藍華。ちょっと来てごらん?」
藍華と婚約して二か月。
ふたりの生活も少しずつ慣れてきて、最初は緊張気味だった彼女も、表情が柔らかくなった。
受付に立つ彼女は、多くの人に見られているからか、ドンドン美しくなっていく。
それに……ベッドの上で悶える彼女が、色気を増してきて、壊さない様にするのが大変だった。
いや、時々暴走して止まらないのは、反省しているけど。
「なんですか? 公孝さん」
藍華に「公孝」と呼ばれるたび、いちいちドキッとしている俺は、おかしいだろうか。
先に帰ってきて食事を作ってくれていた藍華を和室に呼ぶと、「もうちょっとでできますから、待ってくださいね」と微笑む彼女を食べたくなる。
「うん」
「あれ?」
和室に入ってきた藍華は、そこに置いておいたものに気がついて、目を丸くした。