上司に秘密を握られちゃいました。

「金魚すくい、やるか」

「うん!」


子供のころに必死に金魚を追いかけ回していたことを思いだし、懐かしくて藍華を誘う。


「あっ、破れちゃった」


藍華にやらせてみたものの、まったく捕まる様子はない。


「ほら、今度は俺」


できる保証はまったくなかったけれど、なんとか一匹だけ捕まえることができた。


「公孝さん、すごい!」

「だろ」


よかった。面目を保てた。
隣で小学生が三匹捕まえていたことは、この際見なかったことにしよう。


それからふたりで射的をして、かき氷を分け合い、まるで子供の様にはしゃいだ。

たまにはこんなデートもいい。
また来年も絶対に来よう。

最後に神社で手を合わせてから帰宅した。
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