上司に秘密を握られちゃいました。

あっ……。

またやってしまった。
テンションあがりすぎて、ひとりで突っ走っている。


「よかった。それじゃ、今度休みが合った日にでも……。
いや、大切な休みをそんなことで奪ったら悪いか」

「いえ、お休みはいくらでも余ってますから」

「あはは」


あれ、なんだか変な言い方をしてしまった。

だけど私にとっては、『そんなこと』ではないから、必死だ。


「僕、シフトがまちまちなんだ。
今、わからなくて……連絡してもいい?」

「もちろんです。私は繁忙期でなければ、大体木曜です」

「了解。電話番号聞いてもいいかな?」

「はい!」


憧れの真山さんと、番号交換できるなんて感激だ。

来年の分の運も使ってしまった気がする。
もう宝くじは当たりそうにない。

かじかんだ手でスマホを操作するけれど、指が思うように動いてくれない。
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