上司に秘密を握られちゃいました。

クリスマスに頑張ったおかげで、作業のスピードも増してきた。


ピンクの重箱には、赤いリボンがつけられている。

今回は数も多いから、あらかじめリボン型に結ばれたものをシールでつけるタイプだ。
これなら、慣れないバイトでもできる。


真山さんが仕上げていた商品を参考に、同じように梅を付けていった。


「さすがだね。西里さん作業が早い」


真山さんの方が手際がいい。
だけど、褒められるというのは気持ちがいいものだ。


ふたりで黙々と作業をすると、山になっていた重箱があっという間に終わった。


「はぁー、終わったー」


うーんと伸びをする真山さんは、清々しい顔。

疲れたけれど、やりきったという満足感でいっぱいだ。


「西里さん、ホントありがとう。すごく助かった」

「いえ、お疲れ様でした」
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