従順なペットは愛を囁く
そんなことをぼんやり考えながら、少しずつ鮮明になる景色に愕然とした。
……かお?
「う……!?」
思わず掛布団の中にもぐりこむ。
うそ、なにこれ。
どうしてどうなってんの?
思わず自分の身体を確認する。
服、着てる。
ほっ……
じゃなくて!!!
「うくくくくく……」
ベッドの外から男の笑い声が降ってくる。
「おーい。どーした?」
私は掛布団を乱暴に取り払うと、その声の主に向かって言った。
「どど、どうしたんですか、わたっ、わたしっ!」
彼は一瞬目を見開いて私をじっと見た後、人懐っこい笑顔を見せる。
頭の中は混乱していたけれど、私の好きな笑い方だな、と思ってしまった。