従順なペットは愛を囁く


日向と私に、まだその変化は訪れていない。

「店長さんかっこいいからやっちゃってもよかったんじゃないの?」

日向がにやり、と口の端を上げた。

「え!?」

「記憶がないんじゃしょうがないか。ああ、もったいない。お昼はどうする?『ラビカフェ』行っちゃう? あははは」

「冗談じゃない!! 恥ずかしくて行けない! もう行けないよー!!」

今朝私の身に起こったこと。

日向とよく行くカフェの店長さんのベッドでお目覚め。

何故そこに至ったのか記憶がない。




記憶が……ないわけじゃなかった。
日向には言えずにいた。



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