従順なペットは愛を囁く
店長さんが笑顔を見せた後、ぽつん、ぽつん、どどどどどどど……と、昨夜のことを思い出していたのだ。
「きき昨日言ったことは、忘れてくださいっ!」
私はベッドから転がるようにして出ると、おでこを床にすりつけて言った。
「え? 無理だよ。忘れないし、約束は守る主義だし。」
焦る私に対して、店長さんはまったくもって冷静でおだやかだった。
「あれは約束とかそういうのじゃないんで、全然いいですから! ごめんなさい」
私はそう言うや否や右に左に頭を振り乱し、部屋を後にした。
約束って、守る主義って、酔った女の戯言でしょ。流してよー!!
と、頭の中で叫んでいた。