従順なペットは愛を囁く



『紗那といるとなんか恥ずかしいんだけど』

ぷちん、
と私の中で何かがはじけ飛んだのは、昨日(3月3日午後10時)。奇しくも、女の子の日で、私の誕生日であった。

何が? とか、どうして? は愚問。

目の前で当然のように私を蔑んだ眼で見ているこの男に、私の言葉は一切届かないだろう。

半年、耐えてきた自分を今自分で褒めてあげよう。

出会いは友達の結婚式二次会。
新婦側、新郎側友人同士の合コンのようになっていた。

お酒もだいぶ入った状態だったし、お祝いの席でもあるため、妙に皆テンションが高かったのはいうまでもない。

そこには勿論日向も参加していたが、日向の場合夜の仕事をしているせいか、立ち回り方が上手だった。

私はというと、話しかけられれば答える程度でテンションも上がりきらず、会話も続かない状態だった。





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