平安絵巻




『鶴の君様?』


『な、なんでしょう?』

顔を少し隠した。









『あの、私は……』

続きを言おうとしたとき、母上によって声が消されてしまった。





『手紙が届いております。』


『そうですか。では、失礼いたします。』






『あの!次はいつお会いできますか?』




『それは…、わかりません。
 では、失礼いたします。』




鶴の君は走った。






外に出れば、鶴宮

家の中では、鶴の君






二重生活が始まった。


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