平安絵巻
そして、あっという間に婚儀の日に
『お支度が整いました。』
艶やかな十二単に身を包んだ。
帝のおられる所に、行く。
そして、杯を交わした。
もう、夫婦だ。
長かった婚儀は終わり、ようやく息を抜いた。
『まだ、安心してはいけませぬ。
初夜なのですから。』
疲れた。それしか頭にない。
夜遅く
鶴の君は、帝が寝床にしている場所へ向かう。
『遅くなり、申し訳ございません。』
『疲れてはいませんか?』
『少し…』
『眠たいと顔に書いてありますよ。』
『まぁ。』
ふふふと二人は笑った。
それからしばらく経ち、ようやく眠りについた。