平安絵巻



 


緊張する。




『失礼致します。』


ゆっくりと入る。





反応がない。






『帝……?』



『どうかしましたか?』


『いつの間に?』



帝は、鶴の君の後ろにいた。





『まだ、時間があるので。
 本の整理などを。』  



『そうですか…』




『今日は、話を聞きたくて。』


『私の?』


『えぇ、なぜ男などに?』


『それは、一晩では話せませぬ。』


『そうか、なら、一晩起きる。』


『だめです。お疲れなどですから。
 さぁ、寝ましょう。』






しばらく経ち、二人は眠った。
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