平安絵巻





ふと、目を覚ますと帝のお顔が見えた。



『中宮、大丈夫ですか?』


『あの…、ご公務は…?』


『少し、休みます。』


『そのような…』



『私も、休みたいのです。』





久しぶりに、長い時間、帝と居ることが出来た。







気づけば、帝は隣で寝ていらっしゃった。




布団を帝に掛けると、鶴の君は庭に向かった。


 


日差しが眩しい。




久しぶりに、庭を歩く。






『もう、春かぁ…』



あらから、月日が経ったのだと言うことが分かる。




桜…



今にも、咲きそうな蕾は、淡い桃色をしていた。










< 49 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop